日本財団 図書館


 

キムとの相違点、及び今後国際的に一本化するための問題点などが論じられた。
2)Jeff Hufsey: 著者が欠席のため、AWSのKey会長により、AWSが現在構築を進めている溶接技術者(AWS−WE)資格認証スキムが紹介された。AWSスキムは実務能力と経験を重視した認証(Certification)の制度で、IIWのDiplomaを発行、認証(Qualification)するスキムとは異なる。しかしながら、IIWやEWFの資格者は1年の経験を保有すれば受験の権利を認めるもので、IIWスキムとのリンクが考慮されている。
3)野村博一: 現行のJWESの資格認証制度を国際的(IIWスキム)に整合させてゆくためには、再構築が必要である。教材、教師用の統一されたOHPシート、ビデオ教材等の作成。ATB(教育訓練機関)とANB(認証機関)の設立。試験データベースの確立や試験制度の改正などを訴え、学会の協力を要請した。
4)沓名 宗春:JWESが委託され実施しているJICAの溶接技術専門コースの23年間に及ぶ実績を紹介した。既に220人以上の修了者(41か国)を出している。1981年よりJWESの溶接技術者試験を実施しており、また、最近のカリキュラムはIIWのシラバスと教育時間を十分に満足している。
5)Glenn Ziegenfuss: AWSの専務理事の立場から、国際規格の必要性を訴えた。GATT Uruguayの同意をうけ設立されたWTOの国際規格作成の勧告を解説し、現在のISO規格の作成過程とCENの作成過程とを解説し、過去の問題点を指摘した。真に国際的な溶接規格を作成するためには、ヨーロッパに偏らず、発展途上国をも対象として、世界中に受け入れられる規格を作らなければならない、と力説した。
パネル討論では、多くの重要な質疑が交わされ、有意義な意見交換がなされた。

 

セッション A−3

アーク物理
大阪大学工学部 黄地尚義
本セッションには招待講演1編を含め10編の論文が、提出された。うち海外からの論文は4編であった、内容の内訳は、GMA溶接に関するものが5編、GTA溶接に関するものが5編あり、最近の研究の動向を示唆しているといえる、前者では、溶滴移行形態に関するものが2編、アークの安定性に関するものが2編、ブローホールの抑制に関するものが1編であった。後者では、微量元素やフラックスのビード形成への影響に関するものが3編あり、注目される、
まず、J. J. Lowke博士(オーストラリア・CSIRO)による招待講演“Simple model for the transition current from globular to spray transfer in gas metal arc welding”があり、GMA溶接における溶滴の移行形態に関する簡便なモデルとその計算結果、より厳密なモデルによる数値シミュレーション例等が、紹介された。モデルの適用限界、シールドガス依存性の取り扱い等についての質疑応答があった。
次いで、一般講演に移り、小径管のGTA溶接のモデル解析(桝谷、日立)、ステンレス鋼のGTA溶接に及ぼす母材中に含まれるS量の影響(Marya、フランス)、GMA溶接における短絡移行過程のモデル解析(平田、阪大)、GTA溶接のアノード形態に及ぼす材料組成の影響(平田、住金)についての報告があり、前半を終了した。コーヒーブレ

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION